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アメリカ進出でおすすめの州

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CREAW Inc.はロサンゼルスに本社、ポートランド、ダラス、日本にも拠点を置く、アメリカ市場への進出・アメリカでの販路拡大をデジタルマーケティングでサポートする日系の広告代理店です。

いつもご閲覧頂き、ありがとうございます。
CREAWの野口です。

 

 

 

日本からアメリカへ視察に来られる方から、アメリカのどこに進出すれば良いでしょうか?というご質問を多く頂きますが、中にはアメリカの州と日本の都道府県が同じようなものだと誤解されている方もいるのではないかと感じます。

 

今回はアメリカの州ごとの違いについて紹介します。

 

日本の都道府県≠アメリカの州

アメリカの州には独自の法律や税制があり、強い自治権を持っています。
州ごとに異なる法規制やルールが存在し、ビジネス面で各州におけるメリット・デメリットがあります。

 

一方、日本の都道府県は中央政府の指示に従う側面が多く、財政面でも中央政府に依存しています。
アメリカの州と比較して、日本は都道府県ごとの差異が小さく、全国的に均質な水準が保たれています。

アメリカ地図
アメリカ地図

州ごとの違いはビジネス活動に大きく影響を及ぼすため、進出すべき州の検討は日本企業様がアメリカ進出を成功させるための重要な要素です。

 

では具体的にアメリカでどこの州への進出がおすすめなのか?

 

まずは2つのデータから現状を把握しましょう。

アメリカ進出日系企業拠点数

下表は、アメリカ国内における公館別の日系企業拠点数です。

外務省の公表する海外進出日系企業拠点数調査(2023年調査結果)

明確なエリア分けが難しい一方、イリノイ州シカゴ、ジョージア州アトランタ、カリフォルニア州ロサンゼルスなどの地域に、日本企業の拠点が多い事が読み取れます。

 

製造業は拠点数が多く、製造業が多く進出する州ほど拠点数が多い傾向にあります。

アメリカ在留邦人数

下表は、アメリカにおける都市別の在留邦人数です。

外務省の公表する海外在留邦人数調査統計(令和5年10月1日現在)

上記には駐在員の方に加え、国際結婚で米国在住の方や留学生なども含まれますが、カリフォルニア州ロサンゼルス、ニューヨーク州ニューヨーク、ハワイ州ホノルルなどに、日本人が多く存在するようです。

 

 

上記2つのデータだけで全てを把握することは難しい一方、既に多くの日本企業が進出していたり、日本人が多く住んでいる州ほど、情報を得やすい・人脈を作りやすいなどアメリカ進出のメリットが多く、進出しやすい環境が整っているとも考えられます。

おすすめの州とその理由

今回は私が過去に1年以上住んだ事のある、以下のアメリカの4都市に限定しておすすめ理由やメリット・デメリットを紹介します。 

 

 

  • カリフォルニア州ロサンゼルス
  • カリフォルニア州サンフランシスコ
  • オレゴン州ポートランド
  • テキサス州ダラス

カリフォルニア州ロサンゼルス

カリフォルニア州ロサンゼルスの風景

経済と産業

ロサンゼルスは、主にエンターテインメント産業の中心地として世界的に有名です。
ハリウッドを中心とする映画産業に加え、音楽、テレビ、デジタルメディアなど、多くのエンターテインメントが発展しています。

 

 

また、テクノロジー、ファッション、観光業も盛んで多様な産業が集積しています。

ビジネス環境

ロサンゼルスは、アメリカ本土の中でアジアから最も物理的な距離が近いため、アジア市場との結びつきが強く、日本企業にとって進出しやすい環境です。

 

 

特にロサンゼルス港とロングビーチ港は、アジアからの輸入の玄関口として重要な役割を果たしています。過去に多くの日本企業が進出しており、日系企業向けのビジネス支援プログラムも充実しています。

文化と生活

多文化が共存するロサンゼルスは、日本人コミュニティも活発で、日本食レストランや日本語対応のサービスが充実しています。


また、年間を通して温暖な気候と美しいビーチ、豊富なレクリエーション施設があり、生活の質も非常に高いです。


一方、物価の高さ・治安・交通渋滞などがデメリットとして考えられます。

カリフォルニア州サンフランシスコ

カリフォルニア州サンフランシスコの風景
カリフォルニア州サンフランシスコの風景

経済と産業

サンフランシスコは、言わずと知れたシリコンバレーを中心とするテクノロジー産業の一大拠点です。世界を牽引する多くのテクノロジー企業の本社が集まり、スタートアップのメッカとしても有名です。

 

今も尚ソフトウェア、ハードウェア、バイオテクノロジー、フィンテックなど、幅広い分野でイノベーションが進んでいます。

ビジネス環境

サンフランシスコは、ベンチャーキャピタルが豊富で、新規事業の資金調達がしやすい環境です。
また、多くのインキュベーターやアクセラレーターがおり、スタートアップを支援する体制が整っています。

 

国際的なネットワークも強く、日本のIT系スタートアップ企業も多く進出し、アジア市場とのビジネスも活発です。

文化と生活

サンフランシスコは、ロサンゼルスと同様にリベラルで多様性を重視する文化で、世界中から人々が集まる国際都市です。
日本人コミュニティも活発で、日本食レストランや日本文化関連のイベントが多く開催されています。

 

また、美しい景観と豊かな自然環境も魅力の一つです。

 

一方、ロサンゼルスを凌ぐ物価の高さ、治安の悪さなどがデメリットです。

オレゴン州ポートランド

オレゴン州ポートランドの風景
オレゴン州ポートランドの風景

経済と産業

ポートランドは、クリエイティブな産業が発展している都市です。特にアウトドア用品やクラフトビール、サスティナブルファッションなど、独自の産業が栄えています。

 

また、有名なところではナイキの本社があり、スポーツ産業も盛んです。

ビジネス環境

ポートランドの最大の特徴は低い税制。アメリカでは数少ない売上税(日本の消費税のような税金)が0%の州がオレゴン州です。

 

一般的に全米どの州でも食事や買い物をすると、10%近い売上税が徴収されますが、オレゴン州では0%で他州と比較して税制上有利です。

 

オンラインで商品を購入する際も一度オレゴン州へ届ければ、税金が0%になるため、全米からアメリカ製品を安く仕入れたい物販関連企業や物流業界など、多くの日系企業が進出しています。

文化と生活

ポートランドは、エコフレンドリーな都市としても知られ、サスティナビリティを重視する文化があります。

 

ロサンゼルスやサンフランシスコほどではないものの、日本人コミュニティもあり、最近では日本食レストランの進出も増加中。

 

豊かな自然環境とアウトドアが楽しめる魅力的な都市です。

 

夏以外は年間を通して天気が不安定な点がデメリットです。

テキサス州ダラス

テキサス州ダラスの風景
テキサス州ダラスの風景

経済と産業

ダラスは経済成長が著しい都市で、金融・エネルギー・不動産など多くの分野で発展しています。
また、物流の中心地としても重要な役割を果たしています。

 

最近はカリフォルニア州から多くの企業がテキサス州へ本社を移転し、全米で最も注目を集める都市の1つです。

 

開発ポテンシャルが大きく、日本からテキサス州へ不動産投資する投資家の方々も多く存在します。

ビジネス環境

ダラスは、ビジネスフレンドリーな税制と規制の少なさが特徴。アメリカでは数少ない個人法人問わず所得税がない州で、規制も企業側に有利な点が特徴です。


一般的に消費者からの訴訟が多いアメリカでは企業側が不利になるケースも多々あり、経営者視点では魅力的な要素です。

 

また、充実したインフラと広大な土地があり、コストを抑えながら事業展開が可能です。

文化と生活

ダラスは、温暖な気候と豊かな自然環境が魅力で、生活の質も高いです。

トヨタがロサンゼルスからダラスへ本社を移転して以降、日本人コミュニティも加速度的に発展しており、日本食スーパーやレストランも増えています。

 

テキサス州は他州よりも銃規制が緩く治安を心配する声もある一方、住んでみて全米で最も治安が良い印象です。

 

年間を通して気温が高く、夏場は40℃近くまであがる一方、冬場は-10℃の寒波が訪れたりと天気が不安定な点がデメリットとして考えられます。

まとめ

アメリカ進出におすすめの州や特徴、メリット・デメリットを紹介しました。

 

日本企業様がアメリカ進出を成功させるには、それぞれ企業のニーズや業種に応じて最適な州・都市選びが重要です。

 


メーカーや小売ならアジア文化が浸透していて地理的に物流コストを抑えられるロサンゼルス


ITスタートアップとしてアライアンスを獲得したい場合はサンフランシスコ


売上税がなく、アメリカの古着屋やヴィンテージ家具の仕入れにおすすめのポートランド


製造業として中長期的な成長性を見込めるダラスなど

 

目的に合う進出先の選択が、アメリカ進出成功の鍵です。

 

尚、私自身が東海岸に住んだ事がない為、ニューヨークを中心とした東海岸、シカゴを中心とした北東部を紹介できませんが、アメリカ進出・販路拡大のヒントになれば幸いです。

 


他に聞きたい事やご質問などあれば、お気軽にお問合せ頂ければと思います。
ブログの中で取り上げてほしいテーマのリクエストもお待ちしています。

アメリカ進出・アメリカ市場での販路拡大成功の秘訣は代表インタビュー(前編)代表インタビュー(後編)でも紹介中です。

今回はご購読頂きありがとうございました。
それではまた次回も宜しくお願いします。

 

CREAW Inc

野口 元気

Founder & CEO Genki Noguchi

Writer

Genki Noguchi

CREAW代表。大学卒業後にヤフー株式会社でインターネット広告の企画営業に従事。在職中にYahoo! JapanとGoogle双方の運用型広告上級者資格を取得。同社を退職後に渡米。 ロサンゼルスでカリフォルニア法人CREAW Incを創業後、事業拡大に伴い、オレゴン州ポートランド、テキサス州ダラスに拠点を広げつつ、 日本法人のCREAW JAPAN合同会社を設立。日米の架け橋となるべく、デジタルマーケティングを展開中。

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