日本の伝統文化を再定義したアメリカ進出
チームを組むメンバーとして重要なのは人格
CREAW:本日は宜しくお願い致します。早速なのですが、
まずは原田晶光堂様の会社紹介をお願い出来ますでしょうか?
原田様:当社は創業105年を迎えるハンコの問屋メーカーであり、3代にわたって経営を続けてきています。主な事業は日本全国の印章店様に商材を提供する事です。近年は海外に販路を広げるとともに「現璽メタル」という今までにはないハンコを開発し、販売しています。
CREAW:ハンコは誰もが知る日本の伝統文化ですよね。3代にわたって経営を続けられている事は非常に尊敬しております。
原田様:すごい事ですよね。
戦争など多くの逆境を乗り越えて起業した初代は特にすごかったですね。
CREAW:3代目にあたる弘さんは最初から家業を継ぐつもりだったのでしょうか?
原田様:最初は家業を継ぐつもりはありませんでしたが、2代目である父の背中を見ると感じるものがあった事と、おばあちゃんが3代目を継いでほしいという夢を持っていた事がきっかけですね。
CREAW:なるほどですね。CREAWとの協業のきっかけはどのようなものでしたでしょうか?
原田様:2020年にもともとお付き合いのあった他の会社に越境ECサイトの立ち上げについて相談したところ、ご紹介頂いたのが代表の野口さんでした。非常にしっかりしている印象があり信頼出来ると思いお願いしました。
CREAW:ありがとうございます。貴重なお言葉を頂けて大変光栄でございます。
原田様:チームを組むメンバーとして重要なのはまずは人格だと思っています。信頼関係があって初めて仕事の話が出来る考えていますので、その点は重視していますね。
CREAW:そこは私も引き続き気を引き締めて精進させて頂きたいと思います。
ハンコ文化がないアメリカにハンコを売るという
前代未聞の取り組み
CREAW:2020年当時はこれから米国市場にハンコを販売開始するという状況でしたが、当時の課題についてお聞かせ頂けますでしょうか?
原田様:2018年にアメリカのカリフォルニア州オレンジカウンティで行われるOC JAPAN FAIRというにイベントに出展した事がきっかけとなり、ハンコが米国市場で売れると確信しました。
それはアメリカ現地の方々には自分の名前が漢字になる体験がとても新鮮なようでギフトとしてのハンコの需要が高い事がわかったからです。
ただ、毎月私がアメリカへ出向いて販売する訳にもいかず、日本からアメリカ市場にハンコを安定して売る方法を見つける事が最大の課題でした。そんな中で2020年にはコロナウイルスの影響でほとんどのイベントが中止となってしまった経緯もあり、本格的に越境ECサイトを立ち上げる運びになりました。
ちょうどその頃にJAPAN BRAND育成支援事業の補助を受ける事が出来た事も大きかったと思います。
また、越境ECサイトを作っておしまいではなく、実際にお客様に知ってもらい、足を運んで頂く為の集客が重要だと認識していた為、広告活用のご依頼をする事になりましたね。
CREAW:最初はFacebookとInstagramのアカウント運用と広告運用を担当させて頂いたと思いますが、すぐに手応えはありましたでしょうか?
原田様:最初の結果はあまり良くなかったですよね。笑
当たり前ですがもともとハンコ文化がないアメリカにハンコを売るという前代未聞の取り組みという事もあり、みんながどう進めていいか分からない状況下でとても苦労しましたね。
ただ、その中でも野口さんの意見は非常に新鮮でした。特に印象に残っているのが「信頼性の担保」という言葉ですね。
最初から広告効果で多くの人が越境ECサイトに訪問はしてくれたのですが、注文には繋がらない状況でした。その原因として当時の越境ECサイトには注文に至るまでの信頼性が足りないのではないかという指摘を頂きました。
私はその時に国をまたいでビジネスを行う以上、越境ECサイト上でどれだけの信頼性を担保出来るかという重要性を理解しましたね。
実際、当時の私たちの越境ECサイトは掲載しているコンテンツの信頼性が低く、カード決済も十分に行えないような状態でした。
この問題を解決する為にチームでどうすればアメリカ現地の方々の信頼性を高める事が出来るか意見交換を行い、越境ECサイトをゼロからすべて作り直しました。それが現在のビジネスに繋がっていると感じています。
仕事のスキルが高いですね。本当に感動しました。
CREAW:弊社が関わらせて頂いてから3年間の運用の取り組みの中で改善出来た点や手応えを感じている部分はどのような点になりますでしょうか?
原田様:繰り返しになりますが、まずは原田晶光堂という日本の小さなハンコ屋さんをアメリカ現地の方々に信頼してもらって、商品を買ってもらう為のブランディング作りが大切でした。
ブランド価値を守る為にAmazonなどの大きなモールに出店するのではなく、自社で越境ECサイトを構築して様々な取り組みを行いました。
例えば、誰でも視覚的に理解出来るブランディングムービーを制作したり、日本向けとアメリカ向けで違うサイト内容を表示する形に変更しました。
そこが大きな改善点だと思いますね。地元山梨、沖縄、東京、アメリカと様々なチームメンバーに協力してもらい、ブランディングを見直していきましたが、アメリカ市場に精通した野口さんの意見はとても参考になりました。
CREAW:直近では2022年のホリデーシーズンに弊社の方でFacebookとInstagramの広告運用を担当させて頂きましたが、3年前と比べて結果に違いはありましたでしょうか?
原田様:だいぶ変わりましたね!本当に大きな飛躍を遂げたと思います。日本国内の同業者には海外でそんなにハンコが売れるのかと驚かれます。
アメリカでハンコを売るという事は本当に手探りでやってきましたし、試行錯誤を繰り返しながら今に至っています。ただ、それは失敗というよりも歯車が合っていなかったという事だと思っています。
アメリカ現地の消費者様と歯車を合わせる為の努力を色々してきた事で、昨年のホリデーシーズンの結果に繋がったのだと思います。
何といっても海外の人が弊社の取り組みに共感してハンコを買って下さるというワクワク感や誰もやっていない事へ挑戦出来ている点は非常にやりがいを感じますね。
CREAW:素晴らしいですね。恐らく原田さんのような志を持った人でないと日本の伝統文化であるハンコを海外に広める事業は実現しなかったでしょうし、全く違う展開になっていたのではないかと感じます。
弊社もそうですし、原田さんの志に共感した仲間がたくさん集まっていますよね。
原田様:ありがとうございます。これからも頑張ります!
CREAW:貴社から見てCREAWの評価出来る部分はどのような点になりますでしょうか?
原田様:仕事のスキルが高いですね。
例えば、報告ひとつにしても質が高いです。毎週運用改善レポートが送られてきて、プロジェクト単位で細部まで分析された報告書を頂けるのですが、きちんと起承転結があって課題が明確に示され、対処方法や進捗状況が詳細にまとめられています。
課題が残っている場合はそれも明確に示されています。
自分で分析しなければならない部分を代わりにやってくれているという事でとても助かっています。本当に感動しました。
CREAW:そう言って頂けると嬉しい限りです。
弊社の心掛けとして、週次レポートや報告書がクライアント様のビジネスの次の展開に繋がるよう、出来る限り詳細な分析と改善案を作成するように取り組んでおります。
真面目にモノづくりに取り組んでいる事を
世界に伝えたい
CREAW:原田晶光堂様としての今後の展望をお伺い出来ますか?
原田様:私たちの目標の1つは海外事業を柱にする事です。
現在はまだ柱とは言えない状態ですが、出来る限りの事を実装し、海外事業を柱にするための環境整備を進めていく必要があります。
今後は補助金などを活用せずに自己資金で自走出来る事業展開が必要です。
その1つの取り組みが弊社のオリジナル商品である「現璽メタル」であり、今年は注力的に取り組んでいきたいと考えています。
また、今年はアメリカだけでなく、オランダをはじめとするヨーロッパにも販路を拡大し、年末のホリデーシーズンに合わせて売り上げをさらに伸ばしたいと思っています。
その他にもお客様の満足度向上に向けて、アメリカ現地に製造拠点を設けてタイムリーな発送を行う事なども検討中です。
CREAW:なるほどですね。まだまだやるべき事はたくさんありますね。
原田様:そうですね。やりたい事がたくさんあります。
CREAW:最後に原田晶光堂様として商品の告知があればお伺い出来ますでしょうか?
原田様:大前提として真面目にモノづくりに取り組んでいるという事を世界に伝えたいです。
私たちは真剣に取り組んでいますし、1つひとつのハンコを毎回大切に作っています。
もっと素敵な表現があればいいのですが、とにかくお客様に喜んで頂きたいです。
商品を買ってくれた人の人生一部として、私たちのハンコを使って頂ける事が嬉しいです。
その為に商品をしっかり作り込んで、ハンコの印面にある漢字の意味も説明書きとして添えて、丁寧に商品をお送りする事が大切だと信じています。
CREAW:とても素晴らしい姿勢だと思いました。
原田様:引き続き、これからもよろしくお願いします。
CREAW:ぜひ今後とも何卒宜しくお願いします。
本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました。
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