【代表インタビュー(後編)】
日本の価値観はアメリカでは通用しない

CREAW CEO 野口元気

代表紹介

CREAW
Founder & CEO

野口 元気(Genki Noguchi)

1988年4月4日生まれ。東京都八王子市出身。

日本の大学卒業後にヤフー株式会社でインターネット広告の企画営業に従事。在職中にYahoo! JapanとGoogle双方の運用型広告上級者資格を取得。3年で同社を退職し、渡米。ロサンゼルスでカリフォルニア法人CREAW Incを創業後、事業拡大に伴い、オレゴン州ポートランド、テキサス州ダラスに拠点を広げつつ、 高知県で日本法人のCREAW JAPAN合同会社を設立。現在は日米の架け橋となるべく、デジタルマーケティング事業を展開。

代表interview後編

課題を本質的に解決出来るサポートに徹する

ルーカス:普段お客様からどういった評価をいただくことが多いですか?


野口:手前味噌で恐縮ですが、お客様からは信頼出来るという評価を頂く事が多いと感じています。
具体的には広告運用を軸にデータ収集・分析した上で、数値的な根拠を基にお客様にご提案している部分が評価頂けているのではないかと推察しています。
お客様としてもアメリカ市場に対して分からない部分が多々あると思いますので、その中でデータが根拠の裏付けとして大きな役割を担っています。
感覚的な話に終始するのではなく、あくまで数値的根拠のあるビジネス戦略やサービス改善のコンサルティングがお客様から評価頂いているものと感じています。


ルーカス:CREAWはビジネス戦略などの上流から、Web広告やSNSアカウント運用などの下流まで、一気通貫でサービスを提供しているのですか?


野口:はい。一気通貫でサポートさせて頂いています。弊社のデジタルマーケティング支援はアメリカ市場開拓へ向けたコンサルティングはもちろん、Web広告やSNS運用だけでなく、制作、SEO対策、PRなど多岐に渡ります。
大前提として、お客様の抱える課題や必要となる解決策を総合的に考えて、最善の選択肢をご提案しています。


ルーカス:例えばGoogle広告を実施したいと相談に来たお客様がいても、他のデジタルマーケティング施策が効果的と想定される場合にはご提案頂けるということでしょうか?


野口:もちろんです。
例えば、営業活動にWeb広告を使いたいとご相談頂いた事がありましたが、ご希望のターゲットをお調べしたところ、アメリカ市場においてあまりにもパイが小さい事が分かりましたので、Web広告よりも直接顧客情報をリスト化してダイレクトメッセージを送ってコンタクトを取っていく営業手法をご提案するといった形です。
弊社としてはお客様の貴重なご予算を無駄にする事なく、抱えている課題を本質的に解決出来るサポートをご提案出来るように心がけています。


ルーカス:CREAWとしては自社のサービス内容の提供以前に、お客様にとって最適なマーケティング施策を常に考えているということですね。


野口:はい。繰り返しになり恐縮ですが、私はビジネス以前に信頼が重要だと思っています。
短期的な報酬と引き換えに、人として会社としての信頼を失う事は、総合的に見るとリターンが小さいと思っています。
今後長期的に多くのお客様をサポートしていきたいと考えた場合、そのお客様の事を考えたサポートが最重要だと思いますし、そのお客様にとって利益にならないと思う事は、正直にお伝えしています。
もっと自社の利益を考えた方がいいのではと言われることもありますが。笑


ルーカス:それがCREAWのモットーということですよね。


野口:そうですね。社名にも関係しますが、この会社を創業した際に競争よりも共創が重要であるという信念を持って立ち上げています。この信念はお客様に対してだけでなく、同業界の仲間に対しても同様です。私は同業界のいわゆる競合他社とパイの取り合いをしたいのではなく、全体のパイを広げる活動をしたいと思っています。
競合他社とでさえ常に共創できる関係性を構築できないかと考えています。
例えば、弊社とは違う分野でマーケティングの知見を抱える競合他社がいたら、自らのお客様にご紹介したいと思いますし、アメリカ進出やアメリカ市場開拓に成功する企業様が増えれば必然的に弊社にご相談いただくことも増えると信じています。

アメリカでは意外なものがクリスマスギフトになる

ルーカス:アメリカのデジタルマーケティングと日本のデジタルマーケティングの違いを教えてください。


野口:手法の違いというよりも異なる価値観の理解が重要だと思っています。
アメリカと日本では前提となる価値観が大幅に違っています。
弊社お客様の事例ですが、日本で印鑑を制作・販売をされている企業様のアメリカ進出をサポートさせて頂いています。
日本において印鑑は書類に捺印を行うなど、主に実用的な目的で購入される場合が多いと思います。
一方でアメリカはもともとサイン文化という事もあり、印鑑の実用性を日本のようにアピールしても、全く売れません。その為、アメリカでは日本と全く異なる訴求でマーケティング施策を実施しました。

アメリカ現地で印鑑に対する反響を分析したところ、アメリカ人の目には印鑑のミニマルなデザインが魅力的に映っており、自らの英名が漢字になる事をとても格好良いと感じている事が分かりました。
特に印象的だった事は、カップルや夫婦などで印鑑を自らの大切な人にクリスマスギフトとして贈りたい需要を見つけた事でした。
日本でも親が子供に印鑑をプレゼントする事例はありましたが、クリスマスギフトとして贈るというのは日本人の感覚からすると少し意外ですよね。


ルーカス:なるほどですね。急にクリスマスプレゼントで印鑑をもらったら、日本人はちょっとびっくりしますね。笑


野口:でもアメリカだと印鑑がクリスマスプレゼントとして成り立ちます。
アメリカ人は良い意味で自分の事を愛していて、自分の名前に対して強いアイデンティティを持っています。自らの名前が漢字となり、格好良いロゴマークのようなものに変わる事はすごく嬉しいのです。
アメリカにはそういう文化や日本にない価値観あり、そこを理解してデジタルマーケティングの施策を考える事が重要です。


ルーカス:日本とアメリカの文化・価値観の違いを理解した上で、戦略を練る事がアメリカ進出や販路拡大への近道なのでしょうか?


野口:その通りです。広告のバナー画像を1枚制作する場合にしても、日本だったら印鑑とクリスマスツリーが一緒の画像に納まるイメージはあまり想像出来ないですよね?
日本とアメリカの文化・価値観が異なるからこそ、同じマーケティング施策でも表現方法やアプローチは大きく変わってきます。
日本とアメリカでは文化・価値観から、同じ施策内容でも表現方法が変わる点が日米のデジタルマーケティングの違いだと思います。


アメリカで成功する企業様の特徴は〇〇

ルーカス:どういう企業様がアメリカで成功すると思われますか?


野口:短期的な視点で、日本やアジアでの成功モデルをアメリカでそのまま試そうとする企業様は期待した成果を得づらい印象を持っています。
逆に成功する企業様としては、中長期的な視点を持ってアメリカ現地の声を取り入れた商品・サービス設計を行っている点が共通していると思います。


ルーカス:CREAWではアメリカに進出したい企業様の中長期的な目標の相談も可能でしょうか?


野口:はい。もちろんサポートしております。マーケティング施策以前に売上利益の目標設定やKPI設定などから、年間のロードマップを作成する支援も行っております。
日本の企業様は高品質な商品やサービスをお持ちの割に、アメリカでの価格設定が低い事が多い為、商品単価の見直しやサブスクやセット販売など売り方に関するご提案をさせて頂く場合もあります。


ルーカス:KPIや売値までご相談出来るのは、あまりアメリカ市場に知見のない企業様にとっては非常に心強いですね。

野口:そうですね。最近は越境ECなどでアメリカ市場へ挑戦される企業様も増えてきておりますが、ずっと日本を中心に活躍されてきた企業様が、いきなりアメリカ現地の適切な値段設定などを考えるのは難しいのかなと思います。
全米各地に住んで生活してみないとアメリカ全土の価格設定は難しいと感じています。

具体例なのですが、先日LAの友人がファーマーズマーケットという日本の朝市のようなイベントで、2人前のラーメンが入ったラーメンキットを30ドルで販売していました。
1人前が15ドル、日本円で2,000円を超えるラーメンキットをアメリカ人は1人2、3個買うんです。
1人前2,000円を超える、しかも自分で作るラーメンを日本人が買うのは想像できないですよね。でも現実にそういうことがロサンゼルスでは起きています。

捉え方によっては日本の企業様が外貨を稼いで利益率を向上するチャンスであり、こういった情報をアメリカからどんどん発信していきたいと思っています。


ルーカス:アメリカの肌感覚を理解する事が日本の企業様や日本に住んでいる方には難しいと思うので、CREAWのような企業にサポート頂けると頼もしいですね。
これからアメリカ進出を考えている企業様やアメリカで販路拡大を目指している企業様にメッセージをお願いします。


野口:最近日本に一時帰国しましたが、今日本はインバウンド需要でとても盛り上がっていて、日本の企業様の意識が国内に向かっているイメージがあります。
言い換えるとわざわざ海外進出しなくても、海外から日本に来る方々が商品やサービスを買ってくれる状況だと思います。
インバウンドももちろん大切ですし、日本が盛り上がるのは嬉しい反面、海外進出の動きについてもより加速していく必要性を感じています。

ポジショントークではないのですが、中長期的に考えると日本はどんどん人口が減少して国内の市場規模が縮小していく事はほぼ間違いありません。

オーバーツーリズムの問題などインバウンド需要の受け皿に限界が出てきたり、今後円安がさらに加速して円の価値が下落していくと、遅かれ早かれ、海外進出を本格的に考えなければいけない時期がどの企業様にも訪れるような気がしています。
その中で市場規模も大きく、ある程度法律や資本主義が整っているアメリカは、非常に重要な市場だと思います。

ただ、注意点としてアメリカ市場開拓は簡単に成功できるほど甘くはないと思っています。
だからこそ、弊社のようなアメリカ現地の企業の支援が必要になると思っていますし、しっかりパートナーシップを組んで二人三脚で事業展開する必要があると感じています。

またアメリカは国土が広く、50州ごとに法律や文化、市場も違うため、既にアメリカ進出はしているものの、全米開拓はまだという企業様からのご相談についてもお待ちしています。


日本からアメリカへ挑戦する人の架け橋になる

ルーカス:最後に今後の目標をお聞かせください。

 

野口:日本とアメリカの架け橋として、法人個人問わず、日本からアメリカへ挑戦する企業様や人を少しでも増やす活動をしていきたいと思っています。
私たちが今アメリカの地で不自由ない暮らしができるのは、いち早く渡米し、アメリカ現地に日本文化を伝達してきた先人の方々のおかげだと思っています。
次は私たちが自身の子どもたちや孫の世代に生活しやすい環境を引き継ぐべく、海外で日本文化の価値向上の役目を担う必要があると感じています。
その為には1人でも多くの日本人が海外に飛び出し、世界を舞台に日本文化を伝えていく必要があると思っていますので、アメリカをはじめ海外へ日本文化の素晴らしい個性を広めるお手伝いをしていきたいと思っています。

 

SEO Partner ルーカス 真弥(Maya Lucas)

Interviewer

Maya Lucas

日本でSNSマーケティング、LP作成に従事。2021年にアメリカ移住し、ロサンゼルスの会社でSEO対策、コンテンツマーケティングを行う。2023年に代表の野口と出会い、CREAWのホームページのSEO対策やメルマガなどを担当。元ITコンサルタント兼システムエンジニアでIT・WEB業界で15年以上の経験を持つ。

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