アメリカ市場で勝ち抜くアラスカ式マーケティング戦略とは?
アメリカ市場で勝ち抜く
アラスカ式マーケティング戦略とは?
CREAW Inc.はロサンゼルスに本社、ポートランド、ダラスにも拠点を置く、アメリカ市場参入・アメリカでの販路拡大をデジタルマーケティングでサポートする日系の広告代理店です。
いつもご閲覧頂き、ありがとうございます。
CREAWの野口です。
今回は、私自身がアラスカを旅する中で気づいた「アラスカ式マーケティング戦略」について紹介します 。
「アラスカ式マーケティング」と聞いても、ピンとくる方は少ないかもしれません 。これは、効率性や利便性が極限まで追求される現代で、あえて「非合理な価値」を作り、熱狂的なファンを生む戦略のことです 。
全米50州を巡り終えた私が 、なぜ今、アメリカ進出を目指す日本企業様にとって、アラスカ式マーケティングのこの考え方が必要なのかを詳しく解説します 。
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そもそもアラスカってどんな場所?
まずは、アラスカをあまりご存知ない方のために、簡単にアラスカを紹介します。
アラスカ州はアメリカの州のひとつで、本土からはやや離れた場所に位置し、カナダと隣接しています。広大な自然と厳しい気候を持ち、アメリカ在住者にとっても、どこか遠い存在に感じられる州かもしれません。
アラスカを訪れる前は、私は下記のようなイメージを持ち、特に2人の子連れの私にとっては、
「旅行先としてはなかなかハードルが高そうだな」と感じていました。
・寒い
・遠い
・不便
しかし、実際にアラスカ州第二の都市であるフェアバンクスに降り立った瞬間、その印象は大きく覆されました。
想像通り、移動には時間がかかり、天候にも左右されます。選択肢が多いとは言えず、決して効率的な場所ではありません。
しかし、現地では多くの人が、スノーレジャーやオーロラ鑑賞を楽しんでいました。
この光景を目の当たりにして、私は強い違和感を覚えました。
「決して合理的とは言えないこの場所に、なぜこれだけ多くの人が集まり、しかも幸せそうに過ごしているのだろうか?」
この問いこそが、今回の記事の出発点です。
数字で見るアラスカの「非合理」な現実
アラスカが一般的なビジネスの合理性から遠い場所かは、数字でもよく分かります。
アラスカは、現代の観光地が前提とする「効率的な移動」や「快適な都市機能」とは真逆の環境にあります 。
アラスカがいかに「非合理」であるかを数字で見てみましょう 。
【気候条件】
- 冬季の平均気温:-15~-30℃
- 内陸部では-40℃以下になる地域も存在
- 年間平均気温も-3℃前後と、全米で最も低い水準
フェアバンクス空港で「アラスカは寒いですね。」とスタッフさんに声をかけると、
「今週は-10℃くらいだから、かなり温かい方だよ!」と言われ、ロサンゼルス在住の私は「観光や快適な滞在を前提とするには、かなり厳しい環境だ」と痛感しました。
【アクセスの悪さ】
- ロサンゼルス → フェアバンクス:直行便はなく、シアトル経由で約7時間のフライト
- 冬季は路面凍結の影響で、初心者にとってレンタカー移動のハードルが高い
- 道路網だけでは到達できない地域が多数存在
同じアメリカ国内のロサンゼルスからでも直行便がない上、路面凍結の影響でホテル送迎やUberを利用することになり、観光地への行きやすさや回遊性を重視する観光戦略とは相性が良いとは言えないと感じました。
【都市機能の限定性】
- 州人口:約73万人
- 州最大都市アンカレッジでも人口は約29万
- 大都市型の商業施設や娯楽は限定的
これらの数字をご覧いただくだけでも、アラスカは一般的な都市や観光地と比較して、“不利な条件”が揃った場所だと言えると思います。
フェアバンクス空港に到着した際も、携帯の電波がなく、ホテルのWiFiも不安定で、ホテルスタッフさんからは「This is Alaska」と返答される始末。利便性や選択肢の多さを期待すると、アラスカは物足りなさを感じやすい環境です。
それでもなお、アラスカには世界中から多くの人が集まり続けています。一見するとこの矛盾した現象こそが、これからご紹介する”アラスカ式マーケティング戦略”の核心に繋がります。
なぜ非合理なアラスカに
世界中から人が集まるのか?
これほど不便な場所であるにもかかわらず、アラスカを訪れる観光客は増加傾向にあります。
McKINLEY RESEARCHの調査では、2023〜2024年の観光シーズンの訪問者数は約305万人 。これはパンデミック前と比較して約20%増加し、州人口の約4倍もの人々が世界中から押し寄せている計算です 。
なぜ、人々はあえて「不便」で「過酷」な場所を選ぶのでしょうか。
【アラスカが観光客に選ばれる理由】
- 不便であること:誰かに語りたくなる非合理な思い出
- 過酷な自然環境:一生に一度の忘れがたい体験
- 誰でも簡単に行けない場所:簡単には行けない秘境への特別感
観光客はアラスカに「効率」を求めていません 。
むしろ、「不便さ」や「過酷な自然」そのものが、他では得られない代替不可能な価値として機能しているのです 。
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日本企業様が学ぶべき
「アラスカ式マーケティング戦略」の本質
アラスカ式マーケティング戦略の本質は、「不利な条件そのものを、価値として磨き上げること」 。
一般的な資本主義社会において、多くの企業や市場は、次のような合理性を追求します。
- より早く
- より安く
- より便利に
しかし、アラスカは真逆である非合理性の中に価値を見出しています。
普通に考えれば、アラスカは売れない条件のオンパレードです。それでも人が集まり続けるのは、
非合理な体験にこそ、人が価値を感じるからに他なりません。
これこそが、”アラスカ式マーケティング戦略”の本質だと感じました。
非合理だからこそ生まれる価値
アラスカで人々が重要視しているのは、観光スポットの数や利便性ではありません。
そこにあるのは、
- 一生に一度の忘れがたい体験
- 簡単には行けない秘境の地に足を踏み入れる特別感
- 周囲に語りたくなる非合理な思い出
といった数字や効率では測れない価値です。
便利すぎる体験は、記憶に残りません。
簡単すぎる体験は、語られません。
アラスカは、『非合理』そのものを価値に転換しているのです。
この考え方は、アメリカ進出や全米市場開拓を目指す日本企業様にとっても、示唆に富んでいます。特に、資本やリソースが限られている日本企業様こそ、取り入れるべき視点ではないでしょうか。
例えば、
- 地方の中小企業や小規模なスタートアップである
- 海外進出に投下できる予算が限られている
- 原料や生産量に限度があり、大量生産ができない
これらは一般的には弱みと捉えられがちです。
しかし、見方を変えれば、非合理だからこそ生まれる価値の源泉になり得ます。
現代の資本主義社会やAIによる効率化の中では、誰もが「より早く、安く、便利に」を追求します 。しかし、その競争軸では資本力のある大企業には勝てません。
“アラスカ式マーケティング戦略”は、不利な条件を無理に平均化したり、合理的に寄せていく話ではありません。
「不利な条件そのものを、価値として磨き上げること」
例えば、「便利すぎる体験」は記憶に残りませんが、「非合理な体験」は強い感情を伴い、顧客の心に深く刻まれます 。
それこそが、アラスカから日本企業様が学ぶべき、最も本質的な逆転の発想だと感じました。
関連記事「安さを売りにするとアメリカ市場で苦戦する理由~成功する価格戦略とは」も、ぜひご覧ください。
まとめ:合理性を捨てる覚悟が
アメリカ市場での突破口になる
行き過ぎた合理化が進む現代だからこそ、あえて非合理の中に価値を見出す姿勢が求められているのではないでしょうか 。
アラスカが成功しているのは、特別な場所だからではありません 。自分たちの置かれた環境を正しく理解し、「早く、安く、便利であること」以外の価値を徹底的に磨き上げているからです 。
あらためて自社を振り返り、「早く、安く、便利であること」だけが、本当に正解なのか?
そんな問いを持ってみることも、今の時代には重要なのではないでしょうか。
日本企業様の製品やサービスの中にも、まだ光が当たっていない「非合理な価値」が眠っているはずです 。
弊社では、アメリカ市場に挑戦する日系企業様のパートナーとして、アメリカ進出戦略やデジタルマーケティングまで一気通貫でご支援しています。
「自社のこの制約を、どうやって強みに変えればいいのか?」
「アメリカ市場で、競合とは違う軸で勝負したい」
そんなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度無料相談にご参加ください。
今後もアメリカ市場に関する最新情報や事例をお届け致しますので、ぜひご期待頂けますと幸いです。
毎度ご購読頂きありがとうございます。
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
CREAW Inc
野口 元気
【出典】
- McKINLEY RESEARCH ALASKA VISITOR VOLUME Summer 2023 & Winter 2023-24:https://www.alaskatia.org/sites/default/files/2024-09/Alaska%20Visitor%20Volume%20Report%202023-24%207.12.24%20rev%20FINAL.pdf
Writer
Genki Noguchi
CREAW代表。大学卒業後にヤフー株式会社でインターネット広告の企画営業に従事。在職中にYahoo! JapanとGoogle双方の運用型広告上級者資格を取得。同社を退職後に渡米。 ロサンゼルスでカリフォルニア法人CREAW Incを創業後、事業拡大に伴い、オレゴン州ポートランド、テキサス州ダラスに拠点を開設。アメリカ市場向けのデジタルマーケティング事業を展開し、過去に支援した累計企業数は100社以上にのぼる。
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